==採録判定時のコメント(2023-11-02にPC長によって追記)== 本論文は提案手法自体の新規性は認められるものの、査読論文としての完成度が十分でないためシェファーディング対象となりました。著者はシェファーディングの方針に対して「その方針を受け入れるか否か」を選択できます。シェファーディングの方針はレビューサマリに記述します。 方針が受け入れられない場合 →本論文は不採録となります。 方針を受け入れる場合 →論文を方針に従って改稿していただき10月25日17:00(JST)までに再提出してください。再提出された論文が出版に十分な品質であると担当者が判断した場合には本論文はショート採録となります。採録通知後、カメラレディを31日までに提出してください。 ==レビューサマリ(元から書かれていたもの)== 4人の査読者の総合点は5, 2, 5, 3と分かれました。全ての査読者は提案手法の新規性と本質的な価値を認めているようですが、また一方で研究論文としての正当化できていない記述や論理的に整合しない点、記述の品質など完成度が低いことも指摘しています。4人の査読者は査読結果を慎重に議論し「新規な提案技術がワークショップにて発表され、議論されることに価値がある」と結論づけ、論文の完成度がシェファーディングによって向上することを条件に採録とする方針に同意しました。 シェファーディング基本的な方針を以下に記します。なお、この方針に従って修正された論文について、再度の改訂をお願いする場合もあります。予め承知ください。 1. 技術提案として論文をまとめる 2. 実装について再現性のあるかたちで詳細に記述する 3. 実装された技術の結果について簡単な性能評価と表示例の掲載によって説明する 以下に具体的に各章をどのように構成するかについて詳述します。それぞれのコメントに矛盾があったり、行き過ぎたコメント(再実験が必要なことなど)があるかもしれませんので、疑問点があれば掲示板にて適宜コメントください。 基本方針 ・特徴を(1) 凍結することによって不透明化され、投影が可能になる点、(2) スノーグローブ現象を発現することができる点にのみ絞る タイトル: 「インスタントな」という表現は、シャボン膜を冷凍庫などで凍らせる方法よりも簡便であるという意図で書かれているのだと思いますが、誤解を生じるので消してください。また、ディスプレイではなく文中では「スクリーン」という単語がより多く使われていますので、スクリーンに統一してはどうでしょう。あるいはFrozen Bubble Displayというシステム名を持ってきて「Frozen Bubble Display:凍結シャボン膜をスクリーンとして用いる全周囲ディスプレイの提案」としても良いかもしれません。こうすると本文中にスクリーンとディスプレイの二つの表記が混在していても違和感がなくなります。 概要: ・シャボン膜を凍結させることによって形状変化が可能である特徴は消失するものと考えます。そのため、形状変化ではなく、シャボン膜凍結によるスクリーンについて「平面」「ドーム」「半球」の3つの形状で実証した、というように書き換えてください ・シャボン膜を容易に「生成」「破壊」できると書かれていますが、破壊については実証されていないので取り下げてください。あるいは、開口の実験についてを「破壊」と捉えて(実験部分を含めて)書き直してください。 ・開口部を作って一部の映像を周囲に投影する方法については実証されていないので記述しないでください。 はじめに: ・シャボン膜凍結の場合は形状が可変である特徴は消失すると考えます。形状が可変であることについては特徴の説明から消してください。 ・シャボン膜の凍結によって不透明度が上昇することから、それをスクリーンとして用いることができることを明確にしてください(読者に想像させるのではなく、明確に記述してください)。 ・触れることで穴をあける点については実証がないので特徴から取り下げてください。開口などのインタラクションについては今後の展望などで触れるようにしましょう。 ・凍結過程に特殊な現象が起こると書かれている部分については、ここでスノーグローブ現象を説明するように改変してください。つまり、凍結によってスクリーン化できること、そのスクリーンはスノーグローブ現象によって新しい表現ができることをこの段階で明確にしておきたいです。 提案と目的: ・Frozen Bubble Displayが初出であるので、使う前に定義してください。 ・4つの提案を1.「シャボン膜凍結スクリーンを複数の形状で形成できる」と2.「スノーグローブ現象によって独特の表現ができる」の2点まとめてください。形状変化は読者に誤解を与えますし、開口については今回の提案では実証できていません。 ・霧の封入を利用したスクリーンとはなんでしょうか。先に説明するか、関連研究の部分でスノーグローブ現象が既存の方法では表現できないことを説明しましょう。 設計方針: ・方針と書かれているのにも関わらず方針になっていませんので、要件を定義して書き直してください。今回の要件は(1)複数の形状で形成するための要件と、(2)スノーグローブ現象を発現するための要件に整理できるはずです。 ・設計方針に実装が含まれています。例えば、アクリル板で囲うことや断熱材を取り付けるということは実装です。方針(要件)と実装は切り離してください。要件を満たすための手段が実装です。 ・(2)スノーグローブ現象を発現するための要件については、説明に矛盾があるものの「シャボン膜の接地部分の温度(Tw )と頂点部分の温度(Tt )のそれぞれがシャボン液の融点よりも低い条 件下においてシャボン膜全体の凍結が起こるが,こ の時,Tt が Tw よりも高い場合にスノーグローブ 現象が起こるという結果が示されている.そのため スノーグローブ現象を引き起こすことができるスク リーンにするためにはシャボン膜の接地部分よりも シャボン膜の頂点部分の温度を低くする必要がある.」と説明されています。矛盾のみ解消してください。矛盾は「TtがTwよりも高い場合」と「シャボン膜の接地部分よりも シャボン膜の頂点部分の温度を低く」という部分です。 実装: ・前章で定義した要件と対応づけて実装を説明してください。すなわち、複数形状でのシャボン膜形成のためにはどのような実装をしたのか、スノーグローブ現象を発現するためにはどのような実装をしたのか、という対応です。 ・前述対応づけだけでは実装の説明ができないでしょうから、基本的な構成を示したのちに、要件に対応する詳述をするという形で整理すると良いと思います。 ・シャボン液の配合については、実験のところで、パラメータの一部として述べるのがよいのではないでしょうか。実装として整理するのは違和感があります。 ・シャボン膜の生成の過程がよくわかりませんので、生成過程を複数の図を用いるなど工夫して示してください。 性能実験(凍結膜の生成と破壊): ・性能実験についてはどのような環境下(室温や空調の有無、太陽光などの外乱の有無)で、どのような回数行ったのかを記述すべきです。 ・性能実験は、シャボン膜が3つの形状で形成できることの確認(生成時間や成功率)と、それぞれの形状で形成するためにどのようなパラメータとなっているのか(例えば空気の投入量)、そのそもどのような大きさ(直径や高さ)のシャボン膜を形成したのかが記述されている必要がありそうです ・開口部の説明は取ってつけたようでよくわかりませんのでここでは削除しましょう。 ・耐久時間の意味がよくわかりませんので実験条件を正確に記述しましょう。(耐久時間はアクリル箱を取った状態ととらない状態の2状態で計測されると好ましいような気がしました) ・「破壊」を今回の論文で記述したいのであれば、破壊の方法(自然の破壊であれば外気温などの条件、なんらかの外部刺激による破壊ならその方法を示す必要があります)と破壊までの時間(自然の破壊であれば耐久時間、外部刺激による場合は刺激から破壊までの時間)。なにをもって破壊されたかを定義する必要もありそうです。そのようなことを考えると「破壊」は今回の論文では触れない方がいいのかもしれません(シェパーディングの方針においては破壊を含める、含めないは指示しません)。 性能実験(不透明度): ・不透明度をどのように計測するのかがよくわかりません。照度計は何をどのように測っているのでしょうか。記述を正確にしてください。 ・何をどのように測っているのかがわからないので、結果の解釈ができません。結果の解釈についてもどのように解釈すれば良いのかを著者の言葉で説明してください。 ・図の(a)と(b)も本文から参照して、現象をきちんと本文で説明してください。 性能実験(スノーグローブ現象): ・スノーグローブ現象についての実験の記録がありません。ビデオには写っていましたので、これをちゃんと論文に記述しましょう。 ・どういう条件でシャボン膜を形成したときにスノーグローブ現象が見られたのか、その生成の成功率はどの程度なのかが記述されていると良いと思います。 アプリケーション案: ・不透明の凍結膜ディスプレイならではのアプリケーションが書かれていると良いと思いますが、良いものがなければこの章そのものを削除しましょう。 ・ゲームは説得力がないのと、部分的に穴をあけるなどのことは説明していないので省略しましょう。 ・形状変化を活かした、というものも、あまりいい例ではないと思います。削除しましょう。 ・スノーグローブ現象のところはもうすこし掘り下げることができればと思います。 議論・考察・今後の展望: ・議論の観点が一つしかありませんので削除しましょう ・考察も整理できていないので削除しましょう ・今後の展望も整理できていないので削除しましょう おわりに: ・議論、考察の代わりに「おわりに」を持ってきて整理しましょう。 ・まず今回の提案と実装では、なにを目的に、なにをして、なにができたのかを明確にしましょう。 ・その上でできなかったことや、もっとできる工夫などを議論として書いてはどうでしょうか(開口部をつくる可能性など)。 ・増粘安定剤の工夫の議論などもここで書いてください。 そのほか: ・1パラグラフが長く、また1つの主張で1パラグラフになっていないので読みにくいです。直してください。 ・各々の査読者のコメントに目を通して修正してください。 ・全角文字や半角文字が混ざっているので、どちらかに統一してください。 ・半角括弧? []や ()?の前には半角スペースを入れてください。
5: 採録
2: やや専門からは外れる
・提案されている内容の新規性(先行研究との差分が十分にあるか) Ephemeralインタラクションのデバイス研究として十分な新規性を有すると思われます。凍結シャボン膜ならではのインタラクション提案としての触れることによって開口が可能である点などを挙げられております。このあたりはもうすこし議論したいと思いました。 ・有用性(実際に役に立つか)、正確性(技術的に正しいか) Ephemeralなインタラクションにシャボン膜を用いることは、衛生面においても優位性があるのではないかと思います。製品化等への展開も考えられそうで、今後の研究の発展次第で有用となりうる技術提案だと思いました。 正確性については、シャボン膜を形成したうえで、それを冷気によって凍結する非常にシンプルな実装に思います。さらに簡便な別手法があるかといわれるとすこしわかりませんが、冷気の代わりに液体窒素などを用いることなどでより簡易に実装ができる可能性があるとは思います。シャボン膜自体の強度がそこまで高くないようにビデオからは読み取れましたので、この辺りを改善する提案があっても良いように思いました。 ・論文自体の記述の質(分かりやすく明確に書かれているか) 論文の質は高くありません。パラグラフライティングがされていないので、読みにくいです。ただし、最低限の情報は含まれているように思いました。一部考察が切れている6.1節がありますので、これは修正を要します。
・論文の問題を改善してほしい 図の引用がきれているところなどがある。 ・開口のある凍結膜について論文で記述があるが、ビデオではすぐに壊れてしまっていたので、一層の工夫があって良いと思いました。シャボン膜を形成したのちに、非常に細かくした氷の粒などを噴霧するなどはかのうでしょうか。膜厚を制御して、持続時間を制御できるような仕組みがあると、Ephemeralインタラクション分野への貢献となるように思いました。
2: 不採録が妥当
2: やや専門からは外れる
本研究では,凍結させたシャボン膜を投影のためのスクリーンとして用いる手法を提案しています.シャボン膜をスクリーン化する研究には超音波振動を用いる先行研究がありますが,本研究ではシャボン膜を凍結させ表面を不透明にするという手法を用いており,新規性が認められます. 一方本論文の内容からは,2章で述べられている提案手法の目指す目的が満たされていないと感じ,提案ディスプレイの有用性にも疑問を感じます.2章では,提案ディスプレイには①インスタント性がある②形状変化可能③部分的に開口部を作成可能④凍結の際の特殊な現象を利用した表示が可能という特徴があると述べられています.しかし,6章の性能実験を見ると,シャボン膜を凍結し投影面ができるまで18-73秒かかるとされており,インスタント性があるとは言えないと思います.また,「『平面形状』『ドーム形状』『半球形状』と形状変化が可能である」とありますが,実際はシャボン膜を任意の形状にしたのちに凍結させているようですので,形状「変化」はしていないのではと思います(普通変化というと,使用途中で平面形状→ドーム形状のように形状が変わるものを想像すると思います).文言を改めた方が良いと思います.さらに,6.1節ではドーム形状と半球形状において開口部を作ったところ全体形状を維持できずしぼんでしまったとあり,有用性に疑問を感じます.また,特殊な現象を利用した表示については評価が行われておらず,図も無いためどのような表示が行われているのか正確に理解するのが難しいです. また,論文全体として説明不足な箇所や記述がすっぽり抜けているところ,誤字脱字,助詞の選択がおかしい箇所などが散見され,記述の品質も高いとは言えません. 以上のように,採録に十分であるとは言えないと考えます.
- 凍結シャボン膜を用いるという手法のメリットが何であるかを整理しなおした方が良いように思われます. - 6.3節の結果を見るとシャボン膜がない状態が最も明るいようですが,この結果は妥当なものでしょうか?凍結後の方が明るくなるのではないかと感じました. - アプリケーションで「音楽に合わせてシャボン膜を破壊するようなリズム ゲーム」とありましたが,膜生成に18秒かかるとなると,リズムゲームは難しいのではないかと思いました. - 8章が議論,9章が考察となっていますが,これらの章の情報を整理して「制約」「今後の展開」という章立てにした方が良いと思います. - ビデオにキャプションなどが一切ついておらず,何がうつっているのかわからないシーンがありました.また,ほとんど内容が変化していないシーンが長く続いているような印象を受けたので,適切にキャプション付け/倍速などの編集をした方が良いと思います - 記述について:以下に気になった点を一部列挙しますが,他にもミスがあると思います.論文の体裁に関するチェックは適切に共著者間などで行ってください. -- 説明不足の箇所:2章冒頭で「Frozen Bubble Display」が初出なため適切な説明文を記述してください/2章8行目「平面形状」「ドーム形状」「半球形状」が初出なので,図を適切に引用するなどしてどのような形状なのかすぐわかるようにしてください/2章1段落目末尾「霧の封入」が初出なため簡単な説明を記述してください/4章1段落目末尾「上部はアクリル板で囲み?」>セットアップの様子が分かりづらいので図を適切に引用するなどしてください/5.1節「それぞれのレールに釣り糸を引っ張ることで?」>仕組みがわからないのでよりわかりやすく,詳細な表記にしてください.また,日本語も不自然に感じます/図2>キャプションとそれが指し示すパーツとが離れており,どれがどれだか判別するのが難しいです.伸ばし棒をつけるか透明色を重ねるなどして工夫してください/6章>全体的に,どのような手段で実験をしたのかの記述が不足しているように感じます(例えば凍結時間の計測はいつ測り始めてどのような状態になったら測定をやめたのかなど)/図3>図の内部にどれがどの形状なのか,凍結前なのか後なのかを明記してください.これをすれば6.1節「結果」の「(a-1)凍結前の「平面形状」のシャボン膜,?」の文はまるまる削れるはずです/6.1節「考察」>記述が途中ですっぽり抜けています -- typo:概要「凍結する際の」→「凍結する際に」など全体的に助詞の選択ミス多数/3.2節2段落目8行目「スクリーンなる」→「スクリーンになる」など脱字多数/5.1節「シャボン膜接地部分冷却システム」図??となっています.適切に図を引用してください
5: 採録
2: やや専門からは外れる
シャボン膜を凍結させてスクリーンにするためのシャボン膜凍結ディスプレイを提案されています。シャボン膜を凍結させることで、一部分にだけ穴の開いたスクリーンの生成を実現されています。 動画を拝見しましたが、凍結させたシャボン膜に投影した文字の視認性が高く、ディスプレイとしての有用性を感じました。特に、凍結前のシャボン膜ディスプレイでは、投影した文字が揺れ動いているように見えましたが、凍結後には投影した文字が静止して見えていた点は高く評価すべき点だと思います。また、シャボン膜が凍結していく際に薄くモザイクがかかっている様子やシャボン膜を割る瞬間も美しいと思いました。 実装された装置は、高価なモジュールや複雑な構成ではなく、簡易なシステムで実装されている点も評価します。 考察でも述べられていますが、生成可能なシャボン膜の大きさにより、ディスプレイとして表示する内容やコンテンツ、使い方が変わってくると思います。WISSでは、本ディスプレイの有用性についても詳しく議論できたらと思いました。
動画では凍結したディスプレイを指で触って割る瞬間までありましたが、論文内には記載されていませんでした。ディスプレイを割る瞬間までの図(写真)があると、より凍結したシャボン膜だと明示できると思いますので、図または写真の追加をご検討ください。(図4では、装置上部からの写真ですので、立体的なシャボン膜に見えません。動画のように側面から撮影した図が望ましいと思います。) 最終原稿を作成するにあたって: 5.1 システム構成内に図??と記載されている箇所があります。正しい図番号を記載して下さい。
3: どちらかと言えば不採録
1: 専門外である
- 提案されている内容の新規性(先行研究との差分が十分にあるか)、 新規性は充分にあると考えられます(自分は同様のシステムを見たことがありません)。 -有用性(実際に役に立つか)、正確性(技術的に正しいか)、 有用性は実装に用いられている技術は正しいと思われますが、やや論文の記述に読み取りにくい部分があるためやや不確かです(「論文自体の記述の質」で説明します)。また「7 アプリケーション例」に挙げられている例については、7.2節のものは納得できるのですが、その他のものは、説得力を欠くか、どのようなものか想像が出来ていません。 なお、6.3節「シャボン膜の不透明度の測定実験」に用いられている手法(白画像を投影した際の照度を測定する方法)が妥当かどうかが分からなかったのですが(直接測る方法もありそうに思われたためです)、そのこと自体は本論文の採否には無関係です。 - 論文自体の記述の質(分かりやすく明確に書かれているか)、 全体的に芳しくありません。 まず「シャボン膜スクリーン生成システム」の説明がおっかけられなかったです。また、図2もどう読み取ればいいのか分かりませんでした(システムの各部分の説明を、シャボン玉を生成する様子とともに、動画で説明する手もありそうです)。 また、「形状変化」という用語の意味が揺れているように思われます。論文冒頭ではいろいろな形のディスプレイを作れるということを表現しているようにも見えたのですが「一定時間で電磁弁の開閉を設定することで再現性のあるシャボン膜の形状変化を行うことも可能である.」という記述からディスプレイの形状をリアルタイムに動的に変化させられると主張してるようにも見えます(一般には「形状変化」は後者の意味で用いられると思います)。 - まとめ 研究テーマとしては充分面白く新規性もあるので、論文がそつなくまとまっていれば論文は採択される可能性も充分にあると思うのですが、現状では厳しそうです。 -採録の条件 (無し)
■その他のコメント
上記に挙げた点以外に、論文を読んでいて気付いた点を以下に挙げます。 - 「T_t が T_w よりも高い場合にスノーグローブ現象が起こるという結果が示されている」とありますが「T_t が T_w よりも低い場合」ではありませんか? - 「5.2 シャボン液の配合について」に「本研究では以下の4 つの特徴を持つシャボン液を用いるのが望ましいと考える.… 2 つ目は氷点下で凍ること」とありますが、例えば、室温では液体であって40℃程度で硬化し、硬化した後には室温でも硬化しっぱなしになるような液体があるのなら、そちらの方が装置が小さく作れて便利そうです。 - 「9 考察」に「本研究ではシャボン膜を凍結することでスクリーンに開口部を作るというインタラクションを生んでいる.開口部を作ることにより投影されていた映像の一部を意図的に天井や壁などの周辺に投影することができ,周囲にいる人へ選択的に情報を見せることが可能である。」とありますが、この記述はもっと早い段階、おそらく「7 アプリケーション例」に置いた方が分かりやすくなりそうです。 - 文献[13]の著者の姓名が逆になっています。
現物を交えての議論が盛り上がりそうなので、デモ発表を期待します。
Ephemeralインタラクションのデバイス研究として十分な新規性を有すると思われます。凍結シャボン膜ならではのインタラクション提案としての触れることによって開口が可能である点などを挙げられております。このあたりはもうすこし議論したいと思いました。