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査読者 1

総合点

8

確信度

3

コメント

WISSを代表する特徴の一つである動画中継について、独自の視点で研究を実施され、論文にされた情熱に感服いたします。特に展示会形式の中継の難しさに注目し、さらに一人だけで実施できるプラットフォームを開発されたことは、学術会議の未来について一つの方向性を示していると言えます。ただ、残念なことに、またその難しさは査読者も理解していますが、この取り組みを学術研究としてまとめ上げるには至っておらず、言い換えれば論文としての完成は今ひとつであると判断します。

査読者からは研究内容については特に意見がありません。意義深いご研究だと思います。一点、論文の一番最後に「本論文では触れないが,別 に評価実験も実施しており,プロトタイプシステム で撮影した映像の品質は,複数人で取材をする形態 の比較手法で撮影した映像の品質よりも高く,良好 な結果が得られている.しかし,提案システムの改 善点として,VSK の安定性の向上が明らかになった.」とありました。本論文中で評価実験を含めなかったことについて、査読者は正しいと思っています。6ページ論文で評価を含めることは難しく、とってつけたようなものになりがちです。今回評価実験を含めなかったことで、もちろん開発したシステムの有効性や使いやすさに興味はありますが、それはジャーナル論文としてまとめれば良いだけだと思います。査読者の個人的な意見としては、ここで引用した文章すら必要ないと思っています。次回以降でご検討ください。

採録判定時のコメント

WISSのデモのような展示会において、1人での動画中継を支援するウェアラブルシステムの提案です。明確な問題意識に基づく現実的な解決手段の数々は評価に値します。また、国際会議などの場面で何度もシステムの試作と実施テストを繰り返しながらブラッシュアップを行っていることから、システム構成の説得力も高くなっています。

レビューサマリ

・全体の構成: WISSのデモのような展示会において、1人での動画中継を支援するウェアラブルシステムの提案です。 ・評価すべき点: 本研究の問題意識は明確で、現実的な課題に着目し、それを解決しようとしているため、評価に値します。またシステムの試作を繰り返し、そのたびにトライアルをしている点からシステムの設計要件に関する説得力も高く感じられます。 ・改善に向けたコメント等: 本論文に対しては改善に向けたコメントはほとんどありませんでしたが、「(今回の)取り組みを学術研究としてまとめ上げるには至っておらず、言い換えれば論文としての完成は今ひとつである」という意見や、「1つ1つのシステムに新規性はあまりない」という意見も聞かれました。 この取り組みを「学術論文」としてどのようにまとめ上げていくのかについては、WISSというコミュニティ全体で考えて行くことが望まれると思っています。今回の査読コメントでは十分に方向性を示すことができず、それはメタ査読者の反省点ですが、一方でWISSの本会議などで十分に議論できれば良いと思っています。

その他コメント

本論文については、査読者3名全員がポジティブで、かつ平均で8点(ロング発表を推薦)という結果になっています。研究の目的が明確であり、研究手法も妥当だと思われます。なお、本研究の出発点がWISSという会議であるという点で少し総合点が高めになっているようにも思われますが、メタ査読者としては、WISSを代表する特徴の一つである動画中継について、独自の視点で研究を実施され、論文にされた情熱に少なからず感動しました。 一方で、「取り組みを学術研究としてまとめ上げるには至っておらず、言い換えれば論文としての完成は今ひとつである」という意見や、「1つ1つのシステムに新規性はあまりない」という意見もあります。この取り組みを学術論文としてどのようにまとめ上げていくのかについては、WISSというコミュニティ全体で考えて行くことが望まれると思っています。今回の査読コメントでは十分に方向性を示すことができず、それはメタ査読者の反省点ですが、一方でWISSにおいて十分に議論できれば良いと思っています。

査読者 2

総合点

7

確信度

2

コメント

本論文は、1人での動画中継を支援するウェアラブルシステムの提案です。本研究の問題意識は明確で、現実的な課題に着目し、それを解決しようとしているため、評価に値します。またシステムの試作を繰り返し、そのたびにトライアルをしている点からシステムの設計要件に関する説得力も高く感じます。

本論文の大きな貢献は、筆者のこれまでのトライアルから抽出されたシステムの設計要件であると思うので、論文は限られたスペースですが、それぞれのトライアルにおける課題や改良の経過の記述があると良いと思いました。

また最終的に論文に記載されているシステムでは、そのトライアルの結果、必要だと思われる機能だと思いますが、一方で、そのトライアルの中に不要と判断されて削除された機能も存在するかと思います。不要な機能も学術論文としては知見になると思いますので記述があると良いと感じました。

査読者 3

総合点

9

確信度

2

コメント

1つ1つのシステムに新規性はあまりないが、単独撮影者によるインタビュー経験の積み重ねにより要件を明確にし、必要十分なシステムとデバイスを構築していった過程に信頼感がある。また、現場でプロダクトが磨かれていく過程について詳細に述べられており、必ずしもインタビュー撮影のためのデバイス/システム作りという点に限らず有用な内容になっていると考える。