論文一覧に戻る

査読者 1

総合点

7

確信度

2

コメント

本論文では,気圧センサの内蔵された防水型タッチパネルにおいて,ユーザがパネルをタッチする際の力を計測するための手法について提案されています.防水型タッチパネルは密閉されているため,ユーザの押下でパネルが変形すると内部気圧が変動する.この現象を用いて,押下力の推定を試みています.

評点の根拠:
提案手法の新規性,有用性には概ね問題が見られないと判断します.



論文改善のためのコメント、疑問:
図2,4,5のグラフに関して,「圧力値」の単位がmVになっています.これでは具体的な物理量がわかりませんので,単位の修正をお願いします.

3ページ目左カラムにある数式に関して,使用されている用語の説明をお願いします.

同じく3ページ目の右カラム,4.1.1実験手順で,圧力480 hPaという記述があります.分銅により生起される押下圧であれば,単位はN/m^2などのほうが適切と考えます(hPaは気象・空気圧に関連して使用されますが,それ以外の分野ではほとんど使われません).そもそもここだけ圧力表現であることが適切かどうかについては,少々疑問があります.

採録判定時のコメント

気密性の高い防水型のタッチパネルにおいて、ユーザがパネルを押下する際の力を、内蔵の気圧センサを用いて計測する手法の提案です.押下力を検知可能なタッチパネル自体は既にありますが、特別なセンサを追加せずに同様の機能が安価に実現可能であることが評価されました。加えて、提案手法における押下位置・押下力の特性に関しても、詳細な実験が行われています。これらの点を評価し、ロング採録となりました。

レビューサマリ

全体の構成: 防水型のスマートフォンに搭載されている気圧センサを利用して,タッチパネルへの押下によって発生する内部圧力変動を計測する手法を提案してます.詳細な実験により,押下力と内部圧力変動の関係を明らかにし,内蔵気圧センサによる押下力計測が,入力手段の一つとして利用可能であることを示しました. 改良のためのコメント等: ・提案技術を応用した角度推定の可能性について,実現を期待します.またタッチ検出以外に,「握る」などの動作検出,あるいは「ポケットの中にある」,「手の中にある」などの状態識別はできないものでしょうか. ・計測手法改善に関する提案:画面の端の部分での押下力測定精度の低下問題に関して,例えばタッチパネルでの指の位置情報をパラメータにした,押下力計測アルゴリズムの構築という対策の可能性はありませんでしょうか. ・図の単位系について:図2,4,5のグラフに関して,「圧力値」の単位がmVになっています.これでは具体的な物理量がわからないので,単位の修正が必要です. ・使用されている数式について:3ページ目左カラムにある数式に関して,使用されている用語の説明をお願いします. ・使用される単位について:3ページ目の右カラム,4.1.1実験手順で,圧力480 hPaという記述があります.分銅により生起される押下圧であれば,単位はN/m^2などのほうが適切と考えます(hPaは気象・空気圧に関連して使用されますが,それ以外の分野ではほとんど使われません).そもそもここで圧力表現が妥当かどうかは,要検討であると考えます.

その他コメント

査読者 2

総合点

8

確信度

3

コメント

スマートフォンを用いたインタラクションの研究の方向性として、非常に評価できる。
ただ、筆者が指摘するように、たわみ−>内蔵空気圧の計測の仕組みを使っている以上
画面の端の部分では、計測が弱くなるのが当たり前で、
タッチパネルでの指の位置情報をパラメータにした圧力計測アルゴリズムを
構築すれば、よりよくなるのではないかと考えます。

査読者 3

総合点

5

確信度

3

コメント

気密性の高い防水タッチパネル端末において、内蔵の圧力センサを用いてタッチ時の押下圧力を計測する手法として、端末内の圧力(気圧)変化を計測することで行う手法が述べられています。また、気圧値にハイパスフィルタをかけ積分する手法が述べられ、位置・押下圧・圧力値との関係を調べる実験がなされています。

評点の根拠:

新規性:

特別なセンサを後付けすることなく、内蔵された圧力センサを用いてタッチ時の押下力を計測する手法は面白いアイディアだと思い、位置や圧力による感圧特性等についても実験でよく調べられています。

一方で、感圧式のタッチスクリーンは既にiPhone等の普及で一般的になりつつあり、またマルチタッチで圧力検出可能なタッチスクリーンも存在します。また提案手法が適用可能な機種も限られていることから、提案手法の有用性については限定的であるといえます。ただ、安価に感圧タッチスクリーンを構成する必要のある場合、本論分は有用だと思われます。

論文改善のためのコメント、疑問:

・提案手法ならではの要素が何かあると良いのですが、
角度の推定の可能性については、是非実現して頂ければと思います。

・タッチ検出以外に、「握る」などの動作検出や、ポケットの中にある、手の中にあるなどの状態識別はできないでしょうか。

採択された場合の発表内容、議論内容に対するリクエスト:

提案手法ならではの、何か新しい操作を可能にするアイディアがあれば、
是非提案していただければと思います。