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■ 総合点
3
■ 確信度
3
■ 査読コメント
遠隔で猫をじゃらすためのシステムの提案です。猫側のデバイスは猫じゃらしを模したものであり、比較的十分な自由度があるように見えます。人型のデバイスは少し大がかりな印象であり、実用的かどうかは判断できません。

そもそも提案されているシステム自体は、新たな技術的な問題の解決や、そのためのアルゴリズム/モデルの提案をしてはいません。本提案はむしろ新しい人-動物インタラクション(Human-Animal Interaction)体験を提供しているものだと思いますが、確かに「痛み」を伝達するものはこれまでには知りません(が、調べたわけではありませんので、自信はありません)。この点での新規性は認められます。

ただし、疑問としては「痛み発生装置の実現方法は妥当かどうか」です。提案の利用シナリオ「留守中に猫の相手をする(したい)という需要がある(はず)」に対して、実現方法が妥当ではないように思いますし、今回の論文の内容では説得されません。利用シナリオからするとスマホで簡単にということのほうが適切と思いますが、なぜこのような設計にしたのでしょうか。

総じて、査読者の意見としては「技術的な新規性はありませんが、体験としては新しいものを提案している」と思います。ただし、その新しさは「WISSの査読付き論文」として十分かどうかについては正直説得されていません。すなわち概念実証として必要十分じゃないと思っています。一方で論文はそれなりにしっかり書けてますので、強く不採録を薦めたいとは思っていません。PC委員会で議論の上、最終的に判断したいと思います。

あと、もちろんWISS2015査読方針はご確認頂いていると思いますが、念のためにお伝えしますと、以下のような文面があります。
 「なお、既発表論文の内容を投稿する場合や、公開されているシステムに関する論文など、必要な場合に著者情報が含まれることは問題ありません。」
 http://www.wiss.org/WISS2015/review_policy.html
すなわち、既発表文献[1]については示して頂いても良かったと思います。EC2015の発表前ですので、査読者が論文にアクセスできる訳ではありませんが、念のため。
■ レビューサマリー
査読者間の一貫した意見としては「不採録ではないが、強く採録を推す訳ではない。」というものでした。メタ査読者としても同様の意見でした。今回、PC委員会での議論の結果、採録と判定されました。おめでとうございます。

査読者のコメントを考慮して改訂をお願いします。特に、論文を通して議論がぶれている、一貫性がない部分がありますので、注意深く推敲の上、最終版の論文の準備をお願いします。









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■ 総合点
4
■ 確信度
3
■ 査読コメント
【評点の根拠】
痛みを提示することの必要性についてはやや説得力に欠けますが、アイデア自体はユニークで面白く、「ペットとの痛みを伴う遠隔コミュニケーションシステム」という点で新規性は有していると考えます。

技術的な内容についての記述がしっかりなされており、十分な正確性を有しています。また、随所に猫の観察に基づく知見(例えば、猫じゃらしに対する猫の動きや、顔ありのビデオチャットのほうが猫の注視時間が長いことなど)が示されており、同様のシステムをデザインする上での設計指針を示した論文として有用性が高いと考えます。関連研究についてもよく調査されています。

【関連研究】
モータを使った痛み提示の機構が、下記作品の機構(こちらは虫が這う感覚の提示ですが)と良く似ているので、可能であれば引用して関連性について言及してください。

虫How? 気持ち悪さを提示する触覚ディスプレイ
http://ivrc.net/archive/%E8%99%AB-how-2007/
http://kaji-lab.jp/ja/index.php?plugin=attach&pcmd=open&file=mushi-oukan2011.pdf&refer=publications



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■ 総合点
3
■ 確信度
3
■ 査読コメント
 先行研究では,ペットの様子を伺うことができても,ペット側からのフィードバックがなく,ペットとのコミュニケーションが成立している状況ではなかったが,本研究では,ペット側からのフィードバックを可能とすることで,ペットとのコミュニケーションを可能としたという点は,新規性の点で評価できると思います.
 ですが,フィードバックの方法が,なぜ「痛み」なのかという点がよく理解できませんでしたし,使用する人間の側から考えると,「痛み」が適切なフィードバックの方法とは言い難いと思いますので,その点に関して,全ての読者を納得させる理由づけが必要かと思います.加えて,システムの動作実験を実施していますが,評価結果としてペット側の個体差が大きいと判断すべき結果であり,さらに一時的な利用ではなく,長期的利用が可能かどうかを判断できる結果がでていないため,有用性に問題があるように思います.個体差の点,長期利用が可能かどうか(猫が慣れてしまうと興味を示さなくなり使用しなくなるのではということが気になります)という点についてもう少し考察や問題点解決のための議論があってもよいと思います.
 また,本研究の本来の目的は,論文を読む限り,「外出中のペットの様子を知り,安心したい」ということであるように思いますが,提案しているシステムは「人とペットの関係を向上させる」ものであり,本来の目的とずれているように思いました.また,もしも本来の目的が達成すればよいのであれば,先行研究同様に,ペット側からのフィードバックは不要であるように思えますが,なぜ,ペット側からのフィードバックが,本来の目的達成のために必要なのかについてもしっかり述べる必要があるように思います.