査読方針
- 登壇発表は、査読により採否を決定します。査読者がどのように評価するかは 査読フォーム をご覧ください。
- 査読は匿名で行います(double blind)。投稿時点で論文には著者名を記載してないでください。なお、既発表論文の内容を投稿する場合や、公開されているシステムに関する論文など、必要な場合に著者情報が含まれることは問題ありません。
- 採択された論文の査読結果は、論文とともにインターネット上で公開されます。これは、査読結果という重要なリソースを、プログラム委員内だけでなくコミュニティ全体で共有することにより、今後、論文や査読を書く際の参考にしてもらうためです。また、公開を前提とすることで、より建設的な査読が行われることも期待しています。不採択となった論文の査読は公開されません。
- ワークショップの本質は「議論」であり、仮に荒削りであっても未来を切り拓くような研究、議論を呼ぶような研究であれば、研究の完成度が低くても(評価実験がなくても)、採択の可能性があります。ただし、発表する内容がインタラクティブシステムあるいはソフトウェアそのものである場合には、それが既に実装済みであることを投稿の必須条件とし、実装済みであることが判断できる説明を論文中に記し、写真やビデオなどによってその動作を確認できるようにしてください。
- 評価実験については、加点のみで減点はしないものとします。有意義な評価がなされている場合には、同じ内容で評価がない場合よりも高く評価します。逆に、評価実験に問題がある場合、その理由のみで不採択にすることはせず、最終原稿から評価を取り除くという条件で、評価以外の部分の価値で採否を判断します。ただし、これは、研究途中の成果を議論するワークショップとしての特別措置であり、きちんと成果を論文誌や国際学会で発表する場合には、適切な評価を行うことが重要な要件になります。後者の扱いで採録された場合には、査読コメントや発表での議論を参考に、適切な評価を行った上で、論文誌や国際学会で発表を行うことを推奨します。
- 国際学会・国際ジャーナルで発表済みのものでも投稿可とします。ぜひ完成度の高いトップクラスの研究成果をWISSでも発表してください。国内ジャーナル、国内研究会、国内学会等については、参加者にとって有益であると思われる場合には採択します。(ただ、たとえば情報処理学会シンポジウム「インタラクション」で登壇発表済みの場合は、参加者のオーバーラップが多く、発表形態が同一なため、採択は難しいと思われます。逆に、他分野で発表された興味深い内容などは積極的に採択したいと思います。最終的には委員会での判断になります。)。ただし、いずれの場合も元論文は引用してください(この場合には匿名性が失われますが問題ありません)。なお、WISSでの発表はあくまで口頭発表としての扱いであり、その後の査読付き学会・論文誌への投稿を防げないものとします。
- どんなに新規性の高い面白い研究であっても、記述の質が著しく低い場合(説明が理解できない、必要な情報が書かれていない、既存研究との差分がきちんと説明されていない、など)には採択できません。論文の主張点を明確に記述するだけでなく、従来研究を充分に調査して参考文献として挙げた上で、それらを引用しながら研究の位置づけを専門外の人にもわかるように記載願います。
- 未来ビジョンについては、本年は必須とせず自由記載とします。論文本体とは別に、「この研究はどういう未来を切り拓くのか」について、著者の視点からアピールしたい点があれば、未来ビジョンとした節を設けて自由に議論してください。査読にあたっては、基本的に論文本体のみを対象とし、未来ビジョン自体は査読の対象外とします。特に、「未来ビジョンが物足りない」という理由で不採択にすることはないものとします。ただし、説得力のある未来ビジョンが提示されることによって、論文の価値が高まっているという場合には、プラスの評価を与えることもあり得るものとします。
- 採択された論文の中から、雑誌論文としてふさわしいと判断されるものを、ソフトウェア科学会会誌「コンピュータソフトウェア」へ推薦論文として推薦します。そのままでは雑誌論文としては問題があるが、適切な内容の拡充(評価実験の追加など)があれば採択できると思われるものも、その旨を査読結果に明示した上で推薦に含めるものとします。推薦する論文の本数については採録論文中1/2~2/3程度を考えています。推薦論文として投稿された論文(〆切はWISS開催の翌年1月)は、論文誌編集委員会で独立した査読を行い採否を決定しますが、できるだけWISSの査読者と同じ査読者に割り当てるようにします。発表時期は、査読の進行状況によりますが、なるべく翌年8月号での出版を目指します。
- 1つの論文につき、最低3名のプログラム委員が査読を行います。必要な場合には、外部の専門家にも査読を依頼したり、査読者を追加したりすることがあります。採録の判定は、単純に評価値のみで行うのでなく、プログラム委員会における議論によって行います。また、プログラム委員会において論文の採録判定を行う際には、当該論文の利害関係者は席を外します。
- デモ・ポスター発表は、査読はありませんが、枠が限られているため、応募件数によっては早期に締め切る可能性があります。上記の「既に実装済みであることを投稿の必須条件」は、デモ・ポスター発表では条件としませんが、学会発表である以上、単に思いつきだけでなく、議論に値するだけの材料・根拠をそろえた上で投稿してください。
- 優秀な登壇発表、デモ・ポスター発表については表彰します。