聴覚フィードバックを利用したペダリングトレーニングシステム
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review comment 1
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■ 総合点
3
■ 確信度
1
■ 査読コメント
設定された問題に対して、極めて慎重かつ的確にシステムの設計、評価が行われている点が素晴らしいと思います。強いて言えば実験の比較対象として4.1章に記述のある「メトロノーム音だけを聞かせる」方法を取り上げてほしかったところですが、これも実際に実験が行われており、大きな問題とする理由はありません。
ではなぜこの点にしているかというと、「そもそもの問題設定」の重要性が言葉では理解できても体感的に理解できないためです。例えば通学に自転車を使う人がここまでしてトレーニングすることがあるのか?ジムでカロリーを消費しようとしている人たちがこのシステムを使うのか?そもそもなぜここまでしてペダリングを改善する必要があるのか?つまり論文1ページ目の最初の半分でつまづいてしまったからです。
設定した問題に対して慎重にシステムの設計、検証を行っている点はお手本とも言える論文ですが、その点が惜しいところです。もし採択された際には是非「なぜこうした研究が必要なのか」について丁寧に説明をしてもらえればと思います。
■ レビューサマリー
議論の結果高く評価されました。査読コメントを参考にしていただければと思いますが特に本システムのユースケースと必要性、実車環境を考慮した評価を考慮していただけるとよりよい論文になると思います。
また普通のトレーニングジムのサイクリングマシンでは,音声フィードバックがありかけたい負荷,トレーニングメニューに応じてサウンドピッチもかわるものがあるそうです.
現状ではトレーニング用という位置づけですので,そちらへの言及もしていただきたいと思います。
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review comment 2
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■ 総合点
4
■ 確信度
2
■ 査読コメント
本研究は,聴覚フィードバックを用い,ペダリングを揺らぎなく,滑らかに行うためのトレーニングシステムを提案し,使用実験において,提案システムの有用性を示しており,新規性,有用性の点で高く評価いたします.
今回は,実装したシステムに対し,実験にて基本的な部分の有用性を示すにとどまっていますが,今後,システムを一定期間利用し,正しいペダリング技術を身につけた後,システムを利用しない状況になった場合に,永続的に正しいペダリング技術を再現し続けられるのかという点を確認する必要があると思います.また,今回の実験の対照群は,単にケイデンス計のケイデンスを指示された数値に維持するようにという教示をうけて実験していますが,ペダリングのコツ(体幹を意識する,引き脚を意識する等)を伝えた上でペダリングトレーニングを行った場合,コツを意識したほうが永続的に正しいペダリングが身に付く可能性もあるのではと思います.これらの点について,現状で説明できるデータ等あれば論文に追加していただくとよいかと思います.また,システムを使用する場合,しない場合,本システムを使用し,ペダリングの滑らかさという点で正しいペダリング技術を身につけた人と,すでに正しいペダリング技術をもっている人(競輪選手等のプロ)とで筋肉の使い方(主に使う部位)に違いがあるのかという点についても検証できれば本提案システムの有用性をさらに高めることができると考えます.
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review comment 3
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■ 総合点
3
■ 確信度
2
■ 査読コメント
評点の根拠:
本論文は,自転車のペダリング訓練に関して,ソニフィケーションを応用したシステムに関する報告です.自転車は一定リズム(90-100rpm)でペダルを漕ぐことが望ましいとされており,エアロバイクなどのトレーニング環境において,ソニフィケーションにより踏み込みリズムを人に伝えるシステムとなっています.
提案手法の効果・有用性については,図7,図8,図9の実験結果から,踏み込みリズムの安定化に貢献しうるものと判断されます.ただ,図7の実験結果では,一般的な練習手法と,提案手法の間で大きな差があるとなっていますが,図8,図9の結果からはそのような傾向を読み取ることができません.また,回転数の分散についても数値が大きく異なるようです.加えて図7の実験は実験条件も不明瞭です.実験条件を明確にした上で,両者の傾向の違いについて考察することが望まれます.
また,トレーニング環境に限定した場合,ソニフィケーションが最適な手段であるかどうかについては検討の余地があります.例えば回転速度を常にグラフ表示し,同時に目標回転速度を表示してやれば,一定リズムでの踏み込みは容易に可能となるのではないでしょうか.実車環境では難しいですが,トレーニング環境であれば,画面を注視することも可能です.ソニフィケーションが有効に働く場面は,視点の移動が厳しく制限される,実車環境であると考えます.トレーニング環境よりは,実車環境での比較を優先して実施すべきではないでしょうか.
以上より,提案手法は自転車のペダリング訓練に一定の効果があると認められつつも,その有効性については疑問が残ります.特に有効性が高いと考えられる,実車環境での利用に関する議論も不足していることから,上記の評点としました.
論文改善のためのコメント、疑問:
ほぼ上述の通りです.実車環境での利用を前提として,より深い議論をするべきと考えます.