プロジェクションマッピングを用いた建設用3D積層造形技術

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review comment 1
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■ 総合点
3
■ 確信度
2
■ 査読コメント
雑駁に言うと、プロジェクタを用いて作業者に指示を与える、人間3Dプリンタの提案のようです。大変興味深く、論文を読みました。システムとしては比較的単純で、3D形状をボクセルに分解し、適切な高さとなるように、ビジュアルによって指示を与えるものです。

筆者らも述べていますが、問題としては、空中にせり出していくような加工の際の提示手法、あるいは、作業工具に対するフィードバックなどで、これらが工夫されれば更に良いものになるように感じました。論文にもこの辺りの議論もっと加えていただければと思います。また、現状では、人間がロボットのように動くだけなので、作業者にとってあまり気持ちのよいものでない気がします。この辺りを工夫されると良いと思いました。

想像ですが、ボンドつき割り箸のようなもので構造を作るとすれば、ボンドが乾燥し、固定されるまでしばらく支えているような役割も必要なのではないでしょうか。そのような役割の道具(?)に、(せり出していく際などの)構造の提示装置をつけるとか、そのような工夫があるとよいのかもしれません。

昨年のインタラクションでは「ClayMore: 粘土を用いた造形の支援」という発表もありましたので参考になればと思います。
■ レビューサマリー
ショートでの採録となりました。各査読者の意見を参考にした上で、大規模構造物におけるリアルタイムな制作支援という文脈においてどのような支援が必要になるのかを議論していただければと思います。



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■ 総合点
3
■ 確信度
3
■ 査読コメント
今回は実験的建築物として説明は出来ると思いますが,論文の記述内容としては,構造物を制作したというよりも,大きなサイズでの形状制作を行ったことを報告していると読み取りました.構造計算や明確な空間の意味付け等が提示されない限り,彫刻としてみなしたほうが説明は自然になると考えます.すでに彫刻においては積層法は利用されており,一般的な手法と本手法とでどの程度完成作品に差が出るかを論じることで,本手法の価値を論じやすくなると思います.

本研究における挑戦は高く評価します.一方でケーススタディで述べられている構造物は一般的な建築を基準にした話とは乖離がみられます.むしろ芸術作品としてのケーススタディとして述べた方が良いかと思います.手法に関する正確性は明確である為,ケーススタディの前にボクセルオブジェクトを積み上げていくようなシンプルな試みを行うべきです.

新規性,有用性の観点から問題があることを指摘しましたが,この試み自体は高く評価し,評点を付けさせていただきました.



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■ 総合点
2
■ 確信度
2
■ 査読コメント
 本研究では,大規模な建築物施工のためのプロジェクションマッピングを用いた造形技術を提案しています.非常にダイナミックなプロジェクトで,実際に提案システムを利用してパビリオンを建築しており大変驚きました.
 大規模な建築物施工のためにプロジェクションマッピングを利用していますが,HMDの利用は考えられなかったのか疑問になりました.現場に実際の建築物をHMD上に提示することでも同様の効果は得られますし,プロジェクションマッピングはプロジェクタの設置用土台の準備や,目線より上になると見えにくくなります.また,図4(c)のように適切に積層されていても,後から,地面と目標形状の間に図4(e)のようにボクセルが挿入された場合,提案システムでは誤りを検出できないと思います.既存手法の図面を見ながらの施工,KhoshnevisらによるContour Craftingなど他の手法を含めて,提案手法の利点欠点を整理していただけると提案手法の説得力が高まると思います.
 提案している機能は,深度センサの結果を投影するというシンプルな機能にとどまっています.5章の今後の課題にも述べられていますが,手持ち型工具のインテリジェンス化は必須です.現時点は既存技術の組み合わせで技術的な新規性は感じませんが,手持ち型工具とプロジェクタの連携には技術的に工夫すべきところがあると思われ,それに取り組むことで,技術的な新規性も強まると思います.
 論文は全体的に読みやすかったです.ただ,4.2節で「当初最終的なパビリオンの形状を目標形状としていたのを, 作業者の使用感として短期的な目標がほしいという要求があり,解決策として4.1で述べた形に変えた」とありますが,当初の目標形状がどういうもので,最終的な目標形状がどういうものなのかよくわかりませんでした.また,図5と図6が逆転していると思います.